まとめのノートもようやく折り返し地点。
5日間コース12コマ目の授業の要点
12コマ目は、司法・犯罪分野の事例検討会。
- 事例提供 3分
- 個別検討 5分
- 小グループ検討 12分
- 全体共有 10分
これを3事例。
内容としては、
- 事例1:少年の暴力行為の背景や要因について見立てる
- 事例2:妻の精神症状から、夫の暴力と妻のPTSDの関係を見立てる
- 事例3:万引きで捕まった女性の見立てと、適切な処遇を考える
事例検討セッションの愚痴
事例検討会は、現任者としては、正直、慎重に考えちゃうよね。
例えば、事例1だと「こだわりが強い」「幼馴なじみと、クラス替えで離れることになった」との記述で、「臨機応変が難しい」「発達障害の可能性」と見なくちゃいけない。
現場に出てる皆さーん。
こだわりの程度や内容、程度、場面の記述無しで、発達障害って言っちゃいますか?
幼なじみとクラス替え(ここら辺が、昔から変わらぬ環境からの変化とか何とかのポイント風ヒントなのかもしれないけど、それでも。)で離れて不安になる子どもって山ほどいませんか?
現場だったら「もっとここら辺を聞きたいな」とか、「この情報からだけでは言い切れないよね」ってやつは、事例検討問題ではとりあえず邪念、ここ注意。
事例検討問題のポイント
きっと問題作成者は、
「発達障害の生徒は、環境の変化に弱くて、こだわり強いってところは描きたいよね。それじゃあ、クラス替えで幼馴なじみと離れたことにしておこう。」
って感じで、まず、出題したい疾病や障害を決めてから、ストーリーを後づけしてる(たぶん)。
そして、
診断は医療行為で、医師以外の者が軽々に疾病名を口にするもんではない。
とか
心理の人は、その人の全体性をみる視点が大事だ。
とかの、今まで教わってきた倫理っぽいやつや、心理師の役割って何だっていう理念的なやつは、置いといて、
こだわり ⇒ 発達障害
解離 ⇒ PTSD
現場をよく知らないM1前期に戻ったくらいの心で、簡単な連想をしなくちゃいけない。難しく考えたら負けだよね。
ちなみに
DSM-5でのASDの診断基準
以下のA,B,C,Dを満たしていること。
A:社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害(以下の3点で示される)
1.社会的・情緒的な相互関係の障害。
2.他者との交流に用いられる非言語的コミュニケーションの障害。
3.年齢相応の対人関係性の発達や維持の障害。B:限定された反復する様式の行動、興味、活動(以下の2点以上の特徴で示される)
1.常同的で反復的な運動動作や物体の使用、あるいは話し方。
2.同一性へのこだわり、日常動作への融通の効かない執着、言語・非言語上の儀式的な行動パターン。
3.集中度・焦点づけが異常に強くて限定的であり、固定された興味がある。
4.感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性、あるいは感覚に関する環境に対する普通以上の関心。C:症状は発達早期の段階で必ず出現するが、後になって明らかになるものもある。
D:症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている。
DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル より
心理職に求められてるのは、診断じゃなくて、スクリーニング機能ってことなんだろうけど、それはそれで複雑な気分。
ちなみに、クレプトマニアの事例は、『ハートネットTV シリーズ依存症 第2回 クレプトマニア―罰だけでなく治療を―』の内容とすごく似てたよね。
心の問題に関するホットな話題や治療が、事例問題の素材としてピックアップされるのかな?なんて思ったけども。
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事例問題に関する(講習会サイドの)見方をのぞきたい人。
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では。